武道専門塾 誠眞館(ぶどうせんもんじゅくせいしんかん)


当道場は、先代の「雲流第11世宗家細尾夕雲師」が、自らが修めた剣の技をさらに研鑚するため、また、武道を志す人たちへの修行の場として昭和61年に立ち上げられました。 設立当初は、各流派の「居合、試斬、小太刀護身道」を稽古しておりました。 「居合道」においては、先師が口伝のみであった家伝の抜刀術の体系化に執りかかり、 「佛剣雲流平法」を確立されました。現在では二代目館長第12世宗家英龍が継承に努め、精進しております。 「試斬道」においては、流派、門別に関係なく、真の刀法を基本の基本から考究するという趣旨のもと「全日本試斬道連盟」を平成2年11月に創立し、 全国に各流派の方々の賛同をいただき共に精進できる体制で行っています。 「全日本試斬道選手権大会」の開催は第七回を数えます。 「小太刀護身道」は、先師自らの武道観によって新たに確立された「護心剣法」を稽古しています。


■居合とは

居合の型(演武)は、必ず自分が勝つことになっています。 正しく抜いて型ができれば良しとしてしまうのもこのためかもしれません。 が、そこにはまず自分の「気」で相手を制する気位がほとばしっていなければなりません。相手の呼吸を読み、自分の「気」で制することができなければやむなく斬る。 ですから、抜きつけは、相手のそれより早くなければなりません。しかし、刀を抜かずして「鞘の内(さやのうち)」で雌雄を決することこそ居合修行の究極の理想でありましょう。現代において居合い修行の目的は勝ち敗けだけにありません。修行すべきはただ刀を振るに止まらず、「気」を感じ「間合い」を読み「機会を」とらえる。そういった鍛錬を続けることより「護身技術の体得」と同時に「人格の陶冶」を目指します。 居合修行の相手とは仮想敵です。即ち、仮想敵とは「自分自身」です。 「自分自身」に打ち勝つことの困難さを克服する居合道の 修練を通して身に付けたいものです。

■「護心剣法」とは

身を護る「護身」と「心身」の鍛練との目的で老若男女誰にでも出来るように 先代館長が創始されたものです。道場では、短剣、長剣、二刀を練習しています。 しかし、当道場の場合、技術的なことばかりではなく、挨拶や返事を重んじます。これは師や人に対する表現、また相手との間合などを学びます。これこそ対人関係における 護心(身)技術と言えます。 そのような意味合いから当道場では護身の「身」という字を「心」と書き「護心剣法」と名づけました。

■子供たちに武道を

私どもは、子供から大人、また女性にも「武道」をお奨めしています。
それは武道の修練をすることで心身の健全な成長に役立てたいと考えるからです。
最近の子供たちを取り巻く環境は、ただ無心に駆け回って遊ぶことさえ自由に出来ない状況で、同じく子供を持つ親として危惧しています。私どもで何かお役に立てることはないかと考えたとき、やはり武道をお奨めするのが一番であると思います。が、武道と限らなくても、大きい子も小さい子も集まって身体を思いっきり動かすだけでも違うと思います。幸い道場という場所を持っているのでそれは可能です。また機会があれば、そこで私たちが受け継いできた先人の「知恵」と「技」と「精神」を子供たちに伝えたいと願っています。当道場で指導する「居合道」「試斬道」は「護心剣法」も含めて、武道ですから刀や武器を用います、それゆえ、なおさら扱う人に自己を律する厳しさが要求されます。
剣を持ち身体を動かすことによって得られる身体能力の向上とともに自然に身に付くことがらは、役に立つことはあっても決してマイナスになることはないはずです。
とにかく、 堅苦しいことは抜きにしてまず身体を動かすことです。
その時「もっと早く始めればよかった」と思われるかもしれません。
そんな残念な方が無いようになるべく多くの方に観て経験して頂きたいのです。

■これから「武道」始めたい方に

当道場では子供や若い人だけではなく、何歳になっても始めることができます。
武道を始めるのにいつからでも遅いということはありません、が善は急げと申します。
少しでも早いほうがよろしいかと思います
居合をするには、剣道の経験者の方が良いとか、経験者でなければできないと思っている方が多いようです。 しかし、武道の経験の有無は一切必要ありません。 基本的には今まで刀や竹刀など握った事が無くても始める事が出来ます。 むしろ、武道?経験をお持ちでない方のほうが、固定観念が無くて伸びる人が多いように思われます。 事実、私も野球、ゴルフ、フェンシングはやりましたが、剣道の経験はありません。 もっとも大事な素養は、腕力や技量では無く「素直」に聞いて練習する心だと思います。 私とてどちらかというと遅く始めました、いまだ未熟の身ではありますが、このたび急逝した師匠の跡を継いで、後に続く人たちに伝えていかなければならない使命を担いました。現在、当流の真髄を正しく継承している数少ない者のひとりです。
歳をとってから始めてもいつからはじめても心配することはありません。

■ 指導方法について

当道場で指導している戸山流は、 立居合を基本としていることから膝に負担をかけることなしに、 誰でも居合の修行を行うことができます。 老若男女、および経験を問わず、意欲・やる気のある人にとって 最も身近に感じていただける居合であると思います。 30分も本気で刀を振れば汗びっしょりとなり健康を保つにもうってつけです。 気軽に見学においでください、お電話、お声かけもお待ちしています。

■道場主の基本的考え方

武道の道場では、大声の挨拶を強制され、 目上の人には絶対の服従を要求されて、 時には先輩や指導者から伝統の名のもとに強権的な指導がなされたりする、 そんな荒々しい風景をイメージされるかもしれません。 当道場は、そのようなイメージとは基本的に異なります。  段位の上下という中においては序列があります、武道である以上 ないがしろに出来ない事は事実です。しかしながら、当道場は段位の上のものが常に 威張っていて下のものがひれ伏すような性格のものとは対極にあります。 最も大事にしていることは、門人が共に「居合」「護心剣法」の習得をめざしながら、 上下関係にも増してお互いの信頼関係が築かれ、一歩道場を出れば、人生の先輩後輩として尊敬しあい人間同士としてよいお付き合いをしたいと思います。

■残念ながらこのたび、細尾夕雲先生が病気のためご逝去されましたが、誠眞館は二代目吉田館長の下、先生の意思・技を受け継ぎ、稽古に精進しています。


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