試斬道は、実際に物(巻藁・畳表)を真剣で斬ることにより、日本刀の操法を学ぶことを目的としており、精神鍛錬の道としています。

また、居合で行っている型で実際に斬り、本当に斬ることのできる型を目指すために稽古するものでもあります。

全日本試斬道連盟は、流派不問であり、年1回大会を開き、8種類(真向、両袈裟、両斬上げ、両水平 、突き)の斬り方を基本に戻り、練習、発表の場とし、その成果を各流派で持ち帰り、その流派の発展の一翼に貢献したいと思っております。






流派不問の試斬道を発足させた大きな原因は、流派に偏り過ぎますと剣の目指すところが、己の精進の目的が小さく、狭くなると考え、同じ道を行く者同士が相携えて探究、錬成の実を揚げたいと考えたところであります。居合はものを斬らない(斬れない)剣法とみている筋もありますが、古来己が命と名誉を賭けて一剣を磨いた技が斬らない、斬れない剣法ということこそ間違っていると思います。
その技で命と名誉を護り、築いた剣法であり、そういう言葉を口にする指導者こそエセ指導者でありませう。従って、流派を問わず(共通の斬るということを土俵とした)試斬道を発足させた次第であります。

剣技、特に古から伝わる剣術、抜刀、居合術は流派を興して、ややもすれば他流派との交流を認めず、己だけの道をひたすら歩むといった風潮がありました。
突く、斬るの他、特段の技があるだけでもなく、只理合を異にしているだけで○○流 □□流となっているのであって、技の最終目的は違っても基本は全てに共通する筈であります。流派不問の全日本試斬道は、その基本の探究を主目的の一つとしています。伝統ある各流派の型、理念は有名無名に限らず大切に正しく継承せれるべきであります。斬れない抜刀・居合術は野球でいえば、投球フォームや、バッタースイングだけみて、エースだスラッガーだというに等しいことです。
「型がきまってない」「手の内を・・・」といわれもしますが、実の所は物を斬ることで判ります。その意味からも斬れる居合・抜刀術を目指しています。


「兵法試斬道」のご紹介

全日本試斬会が目的とするその一つに、正しく斬り方を継承することにあります。
何が正しくて、正しくないかといったことを論じ合う前に、先人が築き上げた斬り方(突きを含めて)を理解実践することが最初であろうかと考えます。 〇〇流ではこうだ、△○流ではああだと伝いますが、型・形は違っても必ず共通すところが在ります。そこが一番肝心なところであります。
居合高段者が真剣をもっても、まったくといって良い程斬れない流派もあり、まして剣道のみでは言わずもがなであります。 そこで流派、門別に関係なく基本の基本から考究する意味を含め、試斬道を確立したいと考えた次第であります。また、兵法と冠しましたのは、ややもすればスポーツ、ゲーム化することを戒め、武の源流を模索し、眞に戦いの場の刀法を数ある流派に影響出来ればと考えたからであります。昔から言い伝えられる言葉にも「ハサミも使いようで切れない」と、優秀な美術品までも登りつめた日本刀の元点を忘れずに流派不問の「兵法試斬道」は、今後紆余曲折非難を承知で船出します。眞のご協力、ご支援を願い上げる次第であります。

文責  全日本試斬道連盟会長 細尾 宣治





〜 据物試斬 〜

試斬体を斬ることで、日本刀の操法技術を鍛錬します。
刀は刃筋が通れば、力を必要とせず簡単に物を切り落すことが出来ます。しかし、刃筋はちょっとした心の乱れでも乱れてしまうもので、それは技斬りのレベルに応じて顕著に表れてきます。技術面・精神面の鍛錬が必要となります。




〜 自由試斬 〜

実戦を想定した試斬で、試斬体を一人〜多人数の敵に見立てて斬っていきます。 多人数の場合は、全ての敵に気を配る立ち回り、最後の敵まで縁を切らない集中力が必要です。


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